■自然数そのものにすでに人間の生の哲学が入っているが、その中でも「7」という数は特に形状より周期、空間より時間的、可視より不可視なものに対しての意味づけが多いように思われる。この4番目の素数である7は、1~9までの自然数の中で唯一360度を割り切れない。また正7角形は定規とコンパスで作図不可能である。しかし22/7(=3.14285714…)は、円周率の近似値として用いられてきた。
■神は天と地と万象とを6日間で創造して7日目に休んだ。神はその第7日を祝福した。そう旧約聖書『創世記』にはある。これはオリエントの神話にある「6日間は同じ状況が続いて7日目に完結する」という文学的手法と通じるところがある。この分割不可能な7は古今東西で聖数とされ、節目や周期を表すことが多い。太陰暦では月は7日毎に新月・上弦・満月・下弦と形を変える。7日は1週間である。
■なお太陽暦の1年で考えれば春分~秋分は186日間、秋分~春分は179日で、その差は7日である。かのピュタゴラスは完全数3と世界数4を足した7の数字を宇宙の数字と定義付けた。また医学の父・ヒポクラテスは人間の成長を7年ごとに区切り、7歳までを幼児期、14歳までを児童期、21歳までを少年期、28歳までを青年期、49歳までを成人期、56歳までを中老年期、63歳までを老年期としている。
■西洋音階は1オクターブを7つに分けた7音階である。哺乳類の首の骨の数は7個であり、人間の胎児は受胎後32日~38日目の7日間に上陸再現のドラマを完了させる。余談だが昭和の元号は西暦の1926~1989年で昭和元年~64年に対応するが、大正天皇が大正15年12月25日に崩御したため、昭和元年7日間しかない。また昭和64年は、昭和天皇が1月7日に崩御したためにこちらも7日間である。
■さて形に現れにくい7の上に幾つかの世界観を乗せて見てみよう。太陽系の7天体は1週間の7曜に対応していたが、同時に占星術や錬金術では7種の金属とも対応させられていた。まず図(1)は正7角形の左下から時計回りに、各頂点に地上から見て天空を早く動く順に天体をプロットしたものだ。第1章(001)で示したセフィロトの樹と同
0コメント